ホテルのパーティー会場やレストラン、結婚式場などのパフォーマンスご依頼もよくいただきます。音響設備や照明が整っていて雰囲気も良く、パフォーマンスが映えるシチュエーションですね。そんな会場で必ず気を付けるべき事があります。これを知らずにミスをすると取り返しのつかない事態になってしまうので最大限の注意が必要です。それは、天井のシャンデリアにぶつけないこと！
というのは半分冗談として。笑
音響の関係。特に「無線マイク」の持ち込みによる混線（混信）です。
・音響セット
プロで活躍しているパフォーマーは大抵は自分の音響セットを持っています。スピーカー（アンプ）とピンマイク（ヘッドセット）です。あと人によっては電源がとれない場所でもショーができるように持ち運び用の電源バッテリーを持っている人もいます。
ほとんどのパフォーマンスは両手を使った演技がほとんどのため、手にもつマイクではなく胸元か頭にマイク（以降 : ヘッドセット）をつけて演技します。このヘッドセット、様々な種類があるのですが大体、上の写真のようなモノです。ちゃんと使えるもので安くて３～４万円くらい。ルービックキューブはサイズ確認用。
真ん中がマイクで、頭から首の後ろを通して口もとにつけれるようになっていて、右側の黒い四角い送信機と線でつながっています。この送信機はポケットにいれたり腰のベルトに固定。この送信機から左側の受信機に音声を飛ばします。この受信機は自分のスピーカーや会場の音響設備に線でつなげます。
・ワイヤレスマイク
この無線で声を飛ばすのがパフォーマンスではよく使われるB帯（806～810MHz）と呼ばれる種類の電波の形式です。この無線のヘッドセットのおかげで喋りながら演技ができてとても便利です。ところが万が一、ホテルで隣の部屋の会場にでも電波が混信でもしようものなら大事故になってしまいます。別の披露宴中にパフォーマーの演技の声が入ってしまうなど想像するだけでも恐ろしいですね。
なので、事前に音響担当さんと打ち合わせをして使える電波（周波数）を決めておくのですが、大抵の場合は担当さんに上の写真のセットを一式渡すと問題のない周波数にセッティングしてくれます。どうしても周波数の空きがない場合は、持参した無線のマイクはあきらめて会場にある備え付けのマイク（有線、無線）をお借りすることになります。
このあたりは経験の長いパフォーマーなら、多少は演出を変更してでも問題なく対応できるものです。
・実用的なヘッドセット
私もヘッドセット買ってすぐのころは、正直に知識がないことを音響担当さんに伝えてセッティングしてもらったりして、すこしずつ覚えていきました。ちなみに私が使っているのはSHUREというメーカーのヘッドセットと送信機・受信機セットで４万円くらいのもの。B帯（806～810MHz）で８チャンネル変えれるもので今のところ現場で困ったことはありません。SOUND HOUSEというこの業界ではあまりにも有名なwebショップでさがせばいろいろ見つかります。ただしB帯でも周波数域が違ったりチャンネルが少ないものはオススメしません。また自動チャンネル設定方式で2.4GHzという周波数のものは一見便利そうですが、Wi-Fiの周波数のため近くでたくさんの人が携帯やPC端末など使用すると音が途切れやすいためパフォーマンスには使わない方が良さそうです。
話は戻って、一番の確実なのは施設の備え付けのヘッドセットを借りすることになります。ですが有料だったり、ピンマイク（胸元につけるやつ）しか用意がなくて声が拾いにくかったりすることもあるので、このあたりは事前に打ち合わせが必要となります。
・最後に大切なこと
余談ですが、ホテルの裏側ではパーティーや披露宴などあるとスタッフの方はとてもバタバタしています。ショーの登場や捌けるときはちょっと狭い従業員用の通路や厨房を通ることがよくあります。慌てて運んでいる料理やお皿にぶつかったりすると大変です。パフォーマーは裏方仕事。スタッフの方への挨拶や礼儀も大切です。
また他の会場のお客さまとすれ違うこともあります。邪魔になったり不快にならないよう、ホテルマンの一員になるくらいのつもりで行動したいものです。
まとめると
・施設のヘッドセットを借りれたら一番確実
・持ち込みのヘッドセットは、音響担当さんとの打ち合わせ必須
・なければ手持ちのマイクで対応
・礼儀をもって行動する
記） アークサン代表 山口
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