ファイヤートーチの始め方および準備と注意事項

1471708748130

IMG_9533

先日、プロのパフォーマー仲間から相談が  あり「 ファイヤートーチやりたいけど初めてで心配だから付き合って欲しい」とのこと。さっそく近所の河原で一緒に稽古してきました。

DSC08822 ファイヤートーチとはこういう物です。鉄の棒の先端にウィックと呼ばれる専用の布を巻き付けてありここに燃料(灯油)を染み込ませて点火します。

練習場所や燃料については以下のエントリーに詳しく記載しています。

(関連記事 : 火吹きのやり方と注意事項


火のついたトーチ3本をお手玉するには、ボール3個のお手玉とクラブ3本のお手玉は余裕でできる技術が必要です。最低限、人前でノーミスで演技できるところがスタートラインだと思います。

まずは火をつけていない状態で3本お手玉してみてください。普段よく使うクラブよりも少し重たくて重心の位置も違うため回転のかかり方が違います。

先端に靴下などを被せておくのもオススメです。 理由は、ウィックに燃料(灯油)を染み込ませるとそのぶんさらに重たくなることと、落としてウィックを痛めないようにするためです。

ちなみに1度火をつけると鉄の棒の部分がススで真っ黒になるので僕は濡れたタオルやウェットティッシュで拭いたあと、ラップでくるんでその上からアルミホイルを巻いてます。ウィックの保護と灯油の匂い防止が目的です。(ラップ巻かずに車などに積むと数日間は社内に臭いが残ります)
 DSC08839~2

・燃料

燃料の種類や管理については別のエントリー(関連記事 : 火吹きのやり方と注意事項)を参考にしていただくとして基本的に灯油を使います。灯油の付け方ですが、灯油を口の広い容器に注いでそこにトーチを浸すだけです。ウィック部分だけが浸かるようにします。ウィックから空気の泡が出て来なくなるまで約3~5秒くらいが目安です。

灯油から出したらそのまま床に放置したり、いきなり火をつけてはいけません。地面にボトボト灯油を垂らしたり、そのまま投げると遠心力で灯油が飛び散ってしまいます。お客さんにも飛んでいくし自分にかかったり目に入るので危険です。

灯油を浸したら容器やバケツの上でゴム手袋をはめた手でウィックをギュッギュッっとキツく握って絞ってください。新聞紙などで握って余分な灯油を吸い込ませてる方法もあります。ただし、非常に燃えやすい新聞紙ができあがり危ないのであまりオススメはしません。

たまに大道芸人で見かけるのですが、トーチをブンブン振って地面に灯油を飛ばすのはやめてください。依頼主さんやお客さんへの印象がとても悪くなります。

・さっそくトライ

トーチを買ったらはやく火をつけて夜に投げて(お手玉して)みたいと思うでしょうがちょっと待ってください。実は夜のファイヤートーチは実はものすごく難しいのです。まずは少し明るい時間帯に火をつけてトライしましょう。僕は日の出前に河原に行ってやっていました。

たとえばファイヤーポイやファイヤースタッフなどは投げずに手に握って振り回すので暗い場所でも特段問題ないのですが、夜のファイヤートーチは格段に難度が上がります。

その理由は2つあって、1つはトーチのハンドル(手で握る部分)がほとんど見えないことと、もう1つは大きな炎が目の前を通過する恐怖です。

1つ目のハンドルが見えないことですが、夜暗い場所では火の付いているウィック側が明るすぎてその反対側のハンドル部分が影になってしまいます。なのでハンドル部分がほとんど残像にしか見えずそこを掴むには安定した3クラブの技術が不可欠なのです。

コツは、ウィックのちょうど反対側にハンドルがあるので思いきってウィック(炎)を掴みにいくつもりで手を伸ばすとウィック(炎)の後にハンドルが回転してくるのでうまくキャッチできます。

2つ目はトーチの軌道によるもので、普通のカスケードのフォームで投げると必ず顔の目の前10~20cmを大きな炎が通ります。これは頭でわかっていてもはじめは相当な恐怖を感じるものです。腰が引けたり、トーチを前に投げてしまいすぐに破綻します。

・慣れてくると?

慣れてくると僅かな残像と、なんとなくの感覚でキャッチできるようになります。そうなると火の恐怖もすこしは和らいできいてると思います。(それでも恐いものは恐いですが)

人前での演技は真っ暗な状況でもノーミスで出来るところを目指してください。

・万一のドロップに備える

まず、地面が土やアスファルトの場合は燃え続けるトーチを足元に置いても地面に燃えることはありません。芝生の場合だと炎が当たった部分は少し焦げたりほんの数秒 燃えることはありますが、燃え広がってしまうというのは見たことありません。

問題は舞台の場合。これも燃え広がるというのはなかなかないと思いますが、もしドロップして焦がしてしまうと依頼主さんや舞台の関係者に大変迷惑をかけてしまうと思います。絶対にドロップしないこと。あるいは床に防炎シートを敷くのもひとつの手です。ホームセンターなどでも売っていますね。

この防炎シートはどういう物かというと、燃えないシートではなく、あくまで炎が燃え広がらないものです。実際に火をつけたトーチを直接当ててみると5~10秒弱でシートが溶け出して穴が空きます。

ブルーシートを敷くのは危険だ、という噂をファイヤーパフォーマンス界で聞いたことがあります。これも実際に実験してみると火を当ててシートが一瞬で燃え広がるようなものではありませんが。ですが、すぐにシートが溶け出してしまいます。なので床に敷いても気休め程度にしかなりません。


・本番で準備するもの

水のはいったバケツと十分に濡らした大きめのタオルくらいは最低限用意しておきましょう。消火器もあるとお客さんや依頼主さんに安全管理をアピールできると思います。

できれば消火用の安全管理者をひとりは用意しておくことをオススメします。理由は、ショーの前後あるいは最中に道具や燃料をみておいてもらえたり、万一の火の消し残しや自分では見えないところに引火したときでもすぐに消火にかかれるようにするためです。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。